いくさーのごーれむを召喚

https://twitter.com/Golem_Ikusa 長めの呟き

盤面依存度

思いついた文章を書く。

盤面依存度

今のハースストーンでは盤面への依存度が低いデッキが強いと考えている。

盤面への依存とは

「盤面への依存」とは、自身の盤面が勝利にどれだけ関係するかであり、強い盤面を作る能力が高いデッキでも依存度が高いわけではないと考えている。

ハイランダーローク : 低

ハイランダーローグは凄まじい量の手先の供給とガラクロンドやワンダーワンドによる圧倒的なマナの踏み倒し、アレクストラーザやゼフリスの再利用などで非常に有利な盤面を作り勝利することは多いが、その動作に直前の自身の盤面の状態はほとんど関係ないうえ、それを除去されることが敗北に結びついていない。

直前の行動の一切に依らずに突然相手には対応できない状況を何度も生み出すため、事実上のOTKですらある。

盤面を作ること自体は有利ではあるが、それがそのまま勝利条件になっていないことが「盤面への依存度が低い」と考える理由である。実際に呪文や雄叫びのみの打点で敵を倒すことも可能で再展開自体も容易い。

コンボプリースト : 高

コンボプリーストは既に召喚されているミニオンの体力を増やすなどして場に残し、内なる炎を絡めたコンボで大きな打点を出すデッキであるが、前のターンに召喚したミニオンからダメージを出すデッキ戦略上、直前の相手の除去能力に次のターンの力が左右される。

デッキ戦略が「バフして攻撃」とシンプルな都合上、盤面のミニオンが除去されることが勝利手段の喪失に直結しているため、「盤面への依存度が高い」といえる。

ただし、「依存度が高いから弱い」と言っているわけではない。

あくまで勝つためには盤面のミニオンが必須という意味で依存度が高いと言っているだけだ。

でっか化ドルイド : 中

でっか化ドルイドミニオンだけが出せる打点であるが、おそらく盤面への依存度はそこまで高くない。

でっか化でミニオンのバリューを高めてそれを踏み倒しつつ並べることで相手の除去を超えて倒す戦略には、盤面のミニオンが次のターンも生存するかはそこまで関係なく、何度除去されても強化されたミニオンを出すだけだからだ。

でっか化ドルイドの敗北条件は「挑発を超えてくるような火力」や「序盤の不利を覆せない」、「盤面に一切関係のない手段によるOTK」であり、自身の盤面の生存は次の行動に関係がない。そしてでっか化ドルイドの全ミニオンを除去することは相当難しい。

そういう意味で、盤面への依存度は高くないと考える。

ドラゴン年を振り返って

今年のハースストーンは、盤面依存度が高いデッキに向かい風のカードが多かったのではないかと感じている。

急襲の変遷

野獣放つべし→オアシスサージャー→無貌の変性者と、攻撃力5の急襲ミニオンを出すために必要なコストはどんどん下がっていったし、バタバタミイラ→破滅の御子とほぼ上位と言ってもいいカードが同じ年の中で見られた。(バタバタミイラと破滅の御子に関して、テンポデッキなら基本的にガラクロンドを採用したほうが強く、祈願条件はほぼないようなものだった上に当初はミイラよりコストが低かったので上位互換と言えた。)

展開に必要なリソース

探検同盟初期は序盤の除去手段が足りずにコンボプリーストが環境を取ったものの、倍増する腕がナーフされて進化が環境に追加されると多量のマナを一気に踏み倒す進化シャーマンがラダーで増殖した。

「4マナを3体、8マナを1体出すために必要なコストは4マナ」は計算があっていない。

ン=ゾスをコピーして使い回すデッキは何度除去されても毎ターン20マナ以上のミニオンを召喚したし、クエストは本来のバリューを倍にするシャーマンとドルイドが展開兼除去を繰り返していた。(精神支配技師は相手のミニオンの除去と自陣の展開であり、オアシスサージャーは5点×2の除去であると同時に5/5ミニオン×2体といえる。)

盤面を作るためのリソースが小さくて済むということは、作られた盤面を除去されても痛手にはならないということであり、むしろ相手の除去を切らせられるのであれば展開した側の有利ですらある。 

ラクロンド襲来

大決戦初期のガラクロンドシャーマンはまさに上のほとんどを持っており、祈願の2点急襲で盤面を渡さず竜牙の精霊で一気に盤面を作り、8/8急襲を2体出す雄叫びは5/2武器と合わせると(8マナ相当ミニオン×2+5マナ相当武器で)20マナ以上の性能を出して相手の盤面を壊し、挙げ句それを再利用していた。

シャーマン自体はナーフで減ったものの似たような動きは現在でも可能である。

他にもローグは大量の踏み倒し、ウォリアーは突撃による打点やバフした急襲ミニオンによる除去展開を得意としている。

盤面に依存したデッキたち

盤面への依存度が高いデッキは一年かけて環境から減っていった。

マーロックシャーマンが良い例で、悪党同盟の頃は最もアグロなデッキであったのに探検同盟ではマーロックパラディンより少し早いが除去され続けると展開できないデッキになり、大決戦でついに姿を消した。

メカハンターも悪党同盟時代の最大手だったのに今ではハイランダーのほうが安定して強いために消えてしまった。

メカパラディンは展開速度と生存能力が高いために現環境で強いが、それも相手の展開が揃わないうちにできるから強いのであって進化シャーマン環境では見かけなかった。

思ったこと

自身の盤面に依存しない勝ち筋を持ったデッキが環境にあっているのだろうと思う。

依存しないデッキと依存するデッキがあたったときに、どちらのほうが早く勝利条件を満たせるか、敗北条件を回避できるかとなった場合、今は依存しないデッキのほうが勝ちやすいということだ。

これが可能になるのは展開のためのリソースが除去のためのリソースを上回ってかつ除去にもなるような状況であり、それを実現する手段はいくつかあるけれど基本的にマナの踏み倒しと急襲による除去で賄われている。

 

少なくとも逆転に次ぐ逆転は今の環境のほうがよく見られそうだ。

だが大会までそればかりで見ていて少し辛くなった。